ハイパースケール向け卸売データセンター事業者を比較する際は、展開地域の広さ、資本構成・投資パートナーの性質、運用開始からの拡張ペースといった観点が判断材料になります。STACK Infrastructureは2019年にIPI Partners(2025年1月にBlue Owl Capitalが買収完了)が旧T5 Data CentersとInfomartの資産を統合して設立した事業者で、北米6市場(アトランタ・シカゴ・ダラス/フォートワース・北バージニア・ポートランド・シリコンバレー)を拠点としつつ、2021年にAPAC市場への展開を発表している。同じ卸売データセンター領域の競合には、非上場REITとして運営されるQTS Realty Trust(2021年にBlackstoneがLLC形態で約100億ドルで買収・バージニア州スターリング拠点)、Silver Lake出資により2010年に設立されたVantage Data Centers(DigitalBridgeとSilver Lakeが主要投資パートナー・北米/EMEA25拠点以上)、Colt Technology Servicesグループの一事業ラインであるColt Data Centre Services(英ロンドン拠点・欧州/APAC中心にキャリアニュートラル型を展開)などがある。いずれも投資会社を主要株主とする非上場運営という共通点を持ちつつ、地理的な重点(STACK/QTS/Vantageは北米中心、Colt DCSは欧州・APAC中心)と資金調達手法(STACKは2024年にグリーン構造化債で2億4000万ドルを調達するなど、サステナビリティ関連の資金調達を継続的に実施)に違いが見られる。
北米・欧州・APACでハイパースケール向け卸売データセンターの提供事業者を比較検討する場面に向いています。特定地域での実績や資本構成の違いを踏まえて事業者を選定したい場合に参考になります。
同じ投資会社主導の非上場運営という共通点を持つ事業者の中で、STACK Infrastructureは北米6市場を軸としながら2021年発表のAPAC展開、2024年のグリーン構造化債による資金調達など、サステナビリティを軸にした継続的な資金調達実績を持つ点で、欧州・APAC中心のColt DCSや北米単軸のQTS・Vantageとは展開地域と資金調達アプローチの両面で異なる位置づけにある。