FATFが暗号資産分野で重要なのは、各国の暗号資産事業者規制の基準となるトラベルルールや、勧告15に基づくVASPの登録・監督の枠組みを国際的に示しているためです。2026年7月の定点更新では、評価対象のうち勧告15に概ね適合する国・地域が34%(2025年は29%)に増え、トラベルルールの法制化も回答国の83%に達しましたが、完全適合は1か国にとどまり、導入国の約半数以上が執行措置を取っていない課題も指摘されています。FATF勧告に法的拘束力はなく、効果は各国の実施に左右される点が限界です。
暗号資産規制におけるFATFの位置づけと実施状況
法制化の進展と執行の不足という、基準と実務のギャップが現在の主要な論点です。